犬のしつけで叩くことは必要?叩かないしつけ方法と正しい対処法

犬が何度注意しても言うことを聞かなかったり、
吠える・噛む・いたずらをすると、「少しくらい叩かないと分からないのでは?」と思ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、犬のしつけに叩くことは基本的に必要ありません。
叩くことで一時的に犬が行動をやめることはあります。
しかし、
それは「正しい行動を理解した」というより、
飼い主や叩かれることを恐れて行動を止めている可能性があります。
犬にしてほしくない行動を減らすためには、
叩いて怖がらせるのではなく、してほしい行動を分かりやすく教えることが重要です。
犬を叩いてしつけることがおすすめできない理由
犬を叩くことで、その場では問題行動が止まる場合があります。
そのため
飼い主は「叩けば言うことを聞く」と考えてしまうかもしれません。
ところが、
犬は「なぜ叩かれたのか」を飼い主が期待する通りに理解しているとは限りません。
むしろ、
飼い主が怖い
手を近づけられると嫌なことが起きる
この場所にいると怒られる
など、
飼い主が意図していないことを学習してしまう可能性があります。
しつけで大切なのは、犬を怖がらせることではなく、
「何をすればよいのか」を理解させることです。
犬を叩くことで起こりやすい問題
飼い主を怖がるようになる
犬を繰り返し叩いていると、
犬が飼い主そのものを怖がるようになることがあります。
例えば、
「呼んでも近づいてこない」
「手を伸ばすと逃げる」
「抱っこを嫌がる」
「ブラッシングや身体を触られることを嫌がる」
といった行動につながる可能性があります。
しつけでは犬と飼い主との信頼関係が重要です。
恐怖によって従わせようとすると、その信頼関係を崩してしまうおそれがあります。
問題行動が悪化することがある
叩かれることによって犬が強い恐怖やストレスを感じると、
それまでとは別の問題行動が現れることがあります。
例えば、
吠える
唸る
噛みつく
隠れる
飼い主から逃げる
トイレを失敗する
などです。
特に、怖がっている犬や警戒心の強い犬を追い詰めると、
自分を守るために唸ったり噛んだりする可能性もあります。
「言うことを聞かせるために叩いたのに、さらに扱いにくくなった」という結果になってしまっては逆効果です。
犬は後から叱られても理由が分からないことがある
犬を叱る場合に特に注意したいのがタイミングです。
例えば、
留守番中に犬がトイレを失敗していたとします。
飼い主が帰宅してから粗相を見つけ、犬をその場所へ連れていって叱っても、
犬が過去の行動と現在の叱責を正しく関連付けられるとは限りません。
同じように、
数分前に行ったいたずらについて後から叱っても、
犬には飼い主がなぜ怒っているのか分からない場合があります。
その結果、
「トイレを失敗したから怒られた」
ではなく、
「飼い主が帰ってくると怒られる」
など、
まったく違った学習をしてしまう可能性があります。
「悪いことを叱る」より「良いことを褒める」
犬のしつけでは、してほしくない行動ばかりに注目するのではなく、
してほしい行動をした瞬間に褒めることが大切です。
例えば、
来客時に吠える犬の場合、「吠えたら叱る」だけでは犬はどうすればよいのか分かりません。
そこで、
来客が来る
↓
「おすわり」をさせる
↓
静かにできたら褒める
というように、
犬に代わりの行動を教えていきます。
「吠えてはいけない」だけではなく、「こうすれば褒めてもらえる」ことを犬に教えるわけです。
犬を叩かずにしつける5つの方法
1.良い行動をした瞬間に褒める
犬が望ましい行動をしたら、できるだけすぐに褒めます。
時間が経ってから褒めるより、
「できた瞬間」に褒めることで、犬が行動と結果を結び付けやすくなります。
言葉だけでなく、おやつ・遊び・おもちゃなど、
その犬が喜ぶものを報酬として利用することもできます。
2.問題行動が起きる原因を考える
犬が問題行動をするのには理由があります。
例えば、
「怖くて吠えている」
「遊んでほしくて飛びついている」
「退屈でいたずらしている」
「食べ物が落ちているので拾い食いしている」
などです。
単純に
「悪い犬だから」と考えるのではなく、
なぜその行動をしているのかを観察することが改善への第一歩です。
3.問題行動を起こしにくい環境を作る
しつけは犬に命令を教えることだけではありません。
問題行動が起こりにくい環境を作ることも重要です。
例えば、
拾い食いする犬なら床に食べ物を置かない。
ゴミ箱を荒らす犬なら犬が開けられないゴミ箱を使う。
留守番中にいたずらするなら危険な物を犬の届く場所に置かない。
このように環境を整えるだけでも、多くの問題を予防できます。
4.代わりの行動を教える
「○○するな」と禁止するだけでなく、
代わりに何をすればよいのか教えます。
例えば、
飛びつく → おすわり
物をくわえる → 「離して」
来客に吠える → ハウスやマットで待つ
というように置き換えていきます。
犬にとっても、禁止されるだけより
「何をすればよいのか」が分かるほうが学習しやすくなります。
5.家族全員でルールを統一する
家族によって対応が違うと犬は混乱します。
例えば、
飛びついたときに父親は叱るのに、
母親は喜んで撫でていると、
「飛びついてよいのか悪いのか」が犬には分かりにくくなります。
「飛びついたら構わない」
「おすわりできたら褒める」
など、
家庭内のルールを統一することが大切です。
危険な行動をしたときも叩かないの?
拾い食い、道路への飛び出し、人や犬への噛みつきなど、
すぐに止めなければ危険な行動もあります。
この場合は、
まずしつけより安全確保を優先します。
リードで移動を制限する、危険物から犬を離す、
安全な場所へ移動させるなど、その場の危険を回避します。
これは犬を罰することとは別です。
危険を回避した後で、「待て」「離して」「おいで」など、
安全確保に役立つ行動を日常的に練習していきましょう。
つい犬を叩きそうになったら
犬が何度もしつけに失敗すると、
飼い主がイライラしてしまうこともあります。
その状態で
トレーニングを続けても、犬にも飼い主にも良い結果にはなりにくいでしょう。
感情的になってしまったら、
犬と少し距離を取る
その場でトレーニングを中止する
家族に世話を代わってもらう
落ち着いてから原因を考える
などの対応を取ります。
「何度教えてもできない」という場合には、犬が覚えられないのではなく、
教え方や環境がその犬に合っていない可能性もあります。
まとめ|犬のしつけに叩くことは必要ない
犬のしつけでは、叩いて恐怖を与える必要はありません。
叩くことでその場では犬が静かになったとしても、
それは「正しい行動を覚えた」のではなく、
怖くて行動できなくなっているだけかもしれません。
大切なのは、
問題行動の原因を知ること、問題が起きにくい環境を整えること、
そして望ましい行動をしたらすぐに褒めることです。
犬に「何をしてはいけないのか」だけを伝えるのではなく、
「どうすればよいのか」を教えることを意識しましょう。
飼い主と犬がお互いに安心できる関係を作りながら、
一貫した方法で少しずつ練習を続けることが、長期的な問題行動の改善につながります。


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